研究内容

現在参画中の主な研究プロジェクト

  • 科学研究費助成事業,基盤研究(B)
    期間:2024年度~現在
    課題名:「次世代型メタルサポートSOFCの電極損傷解明と制御モデル構築」
  • NEDO事業「グリーンイノベーション基金事業/CO2等を用いた燃料製造技術開発プロジェクト」
    期間:2024年度~現在
    課題名:「機能一体コンパクト排気後処理研究」
  • NEDO事業「水素利用拡大に向けた共通基盤強化のための研究開発事業/燃料電池・水電解の共通基盤技術開発」,再委託
    期間:2025年度~現在
    課題名:「高温水蒸気電解評価解析プラットフォームの技術開発」

固体酸化物形燃料電池の高性能化・高信頼化

固体酸化物形燃料電池(SOFC)は,高効率でクリーンな発電が可能な次世代エネルギー機器として期待されています.一方で,SOFCは多孔質電極,緻密電解質,支持体などが積層された複雑な構造を有しており, 電極微細構造,界面構造,支持体構造が発電性能,耐久性,酸化耐性に大きく影響します.本研究室では,実験観察,各種測定,三次元構造分析,数値シミュレーションを組み合わせ,発電性能と機械的信頼性を両立する電極・積層構造の設計指針の構築に取り組んでいます.

図1:金属支持型SOFCの構造設計と機械的信頼性評価

自動車排ガスフィルターの高機能化・低圧損設計

ガソリン・パティキュレート・フィルター(GPF)は,自動車排ガス中の粒子状物質(PM)を捕集する重要な後処理装置です.近年では,PM捕集機能に加えて排気浄化機能を同時に担う,触媒粒子担持型GPFの開発が進められています.しかし,触媒粒子やPMの堆積によってフィルター内部の流れが妨げられると,圧力損失が増加し,燃費や性能に影響を及ぼします.本研究室では,触媒粒子担持型GPF製造装置の開発,微細構造の可視化,微細構造シミュレーションを組み合わせ,低圧損で高い捕集・浄化性能を有する次世代GPFの設計に取り組んでいます.

図2: 触媒粒子担持型GPFにおける粒子堆積と圧力損失評価

多孔体・積層体の一体焼結挙動と構造形成メカニズムの解明

セラミックス多孔体や積層体の性能・信頼性を高めるためには,焼結中に進行する粒子間結合,空隙形状の変化,収縮挙動を理解し,制御することが重要です.特に,一体焼結プロセスでは,材料ごとの収縮速度差,熱膨張差,酸化などに伴う化学膨張ひずみが複雑に影響し,そり変形,残留応力,界面剥離,クラック生成を引き起こすことがあります.本研究室では,高温その場観察,微細構造計測,凍結成形実験,キネティックモンテカルロ法による焼結解析,有限要素法を組み合わせ,焼結中の構造形成,収縮異方性,変形・応力発生メカニズムを明らかにし,高信頼な多孔体・積層体を実現するための製造プロセス設計に取り組んでいます.

図3:多孔体・積層体の焼結挙動と変形メカニズム解析

実験・解析・AIを融合したマルチスケール設計

材料内部の微細構造は,製品全体の性能や信頼性に大きな影響を与えます. 本研究室では,実験観察や各種測定で得られた構造・現象をもとに,離散要素法,キネティックモンテカルロ法,有限要素法,ペリダイナミクス破壊解析,流体解析などの数値シミュレーションを組み合わせ, メゾスケールの材料挙動からマクロな製品性能までをつなぐ解析技術を開発しています.計算結果は実験観察・測定結果と照合することを重視し,モデルの妥当性を検証しながら,信頼性の高い予測技術の構築を目指しています.さらに,製造プロセスや微細構造を計算機上で再現するデジタルツイン型シミュレーターを構築し,深層学習技術を活用した仮想微細構造の生成,応力解析の高速化,材料物性の逆解析にも取り組んでいます.

図4: 実験・解析・AIを融合したマルチスケール設計

ナノスケール材料挙動の分子シミュレーション解析

材料の性能や信頼性を根本から理解するためには,原子・分子スケールで生じる欠陥移動,拡散,転位運動などの素過程を明らかにすることが重要です. しかし,これらのナノスケール現象を実験のみで高精度に観察・評価することは容易ではありません.本研究室では,分子動力学法などの分子シミュレーションを用いて,固体材料中のナノ欠陥挙動や界面現象を計算機上で解析し,材料における原子空孔拡散,耐熱合金中の転位挙動,界面剥離プロセスなどの基礎的理解に取り組んでいます.

図5:分子シミュレーションによるナノ欠陥挙動解析

PAGE TOP